中体連に硬式テニス部設置でソフトテニスは廃れるのか?

岸記念体育館,日本中学校体育連盟

慌ただしい出勤前の朝。

身支度しながらテレビをつけていると、あるニュースが目にとまりました。

 

中体連に“硬式”テニス部設置へ

 

そのNHKの放送によれば、中体連(=日本中学校体育連盟)に「テニス部」が新たに設置され、中体連主催の「全国中学校体育大会」にも新たな競技として硬式テニスが早ければ3年後に加わる見込みだそうです。

 

日本テニス協会としては、およそ20年前から各都道府県の中体連に働きかけてきたそうで、今回の件は悲願ともいえます。

前々から、そうなるらしいという話は聞いていましたが、いざテレビで目にすると相当な現実感に見舞われます。

 
 

中体連には現在、ソフトテニスのほかサッカー、バスケットボール、陸上競技など19の競技部があります。

 

公益財団法人 日本中学校体育連盟
http://njpa.sakura.ne.jp/

 

中体連に正式な競技部として加わるためには、「関東、北信越、近畿など全国を9つに分けたブロックの中体連のうち、6つ以上がその競技部を設けていること」などといった規定を満たす必要があります。

その競技自体が広く普及しているのはもちろんのこと、全国規模での大会の準備や運営にも人員が必要なため、これまで30年以上に渡って競技部の新設はなかったそうです。

 
 
 

近年のテニス人気の高まりの背景には、錦織圭選手をはじめとした日本人選手の活躍があります。

笹川スポーツ財団の調査によれば、10代の若者の硬式テニス競技人口は増加傾向にあり、2012年の76万人から2016年には97万人まで急増しています。

 

現在、中学校の部活動におけるテニスといえばソフトテニスが主流ですが、中体連主催の全国大会が開催される見通しとなったことで、今後中学校にも硬式テニス部が増えていくことが予想されます。

 

中学校・高校におけるソフトテニス部、硬式テニス部の数

 

中学校

競技 部活数 生徒数
ソフトテニス 12,300 338,600人
硬式テニス 2,300 42,700人

高校

競技 部活数 生徒数
ソフトテニス 5,400 84,600人
硬式テニス 5,500 101,800人

出典「NHK NEWS WEB(中体連に“硬式”テニス部設置へ)」

 
 

これまでも中学校でソフトテニス部、高校では硬式テニスという流れはありました。

ジュニアで硬式テニスを始めた子供も、中学校に部活がないが故にソフトテニス部に入ったり、テニスを続けなかったりというケースも少なくなかったはずです。

今回の動きを受けて、そうした状況が改善されて硬式テニスの裾野は一層広がっていく可能性があります。

 
 

もちろん、それは裏を返せばソフトテニスにとっては脅威ともいえます。

 

教える指導者や、学校のコート確保などを考えても、一気にソフトテニス部に取って変わって硬式テニス部だらけになることはないかもしれません。

とはいえ、この先数年をかけてある程度は軟式から硬式へのシフトが進むはずです。

 

「硬式テニス部がないから」という理由で多くの入部数を保っていたソフトテニス部も、もはやその状況にあぐらをかいているわけにはいきません。

 

今こそ、ソフトテニス独自の魅力を伝えていくことが大切だと思います。

硬式テニスと軟式テニスで、限られたパイを食い合うのではなく、お互い協力できる部分は協力してテニス全体の競技者の裾野を広げながら、それぞれが独立したスポーツ競技として発展していければ理想的です。

 

ネット上では、軟式テニスは硬式テニスの劣化版のような言われ方をしているのも目にしますが、硬式テニスも多少かじった私からするとそもそも明らかに別の競技です。

例えるなら、野球とソフトボール、サッカーとフットサル、スキーとスノーボードなど。

どれも似ているようでそれぞれが独自の魅力を持った違うスポーツです。

 

ソフトテニスを長く続けている人は、始めたきっかけはさておきその魅力を存分に感じているからこそ、あえて硬式テニスではなく軟式を続けているはずです。

それでも、人から「なんで軟式なの?」と聞かれると、いまいちうまく言葉にできないこともあるでしょう。

 

自己紹介などの際に

「テニス部です」

「でも軟式の方ですけど・・・」

と、なぜか引け目を感じた経験も、一度や二度ではないはずです(ソフトテニスあるある)。

 

そこは是非、「ソフトテニスです!」と胸を張っていきましょう!

 

私は、これからもソフトテニスが競技として広く普及し発展を続けていくために、まず何よりソフトテニスに携わる一人一人が、もっとその魅力を外に向けて発信していく努力が求められると考えます。

 
 
 

先に挙げたような「似ているけど違うスポーツ」のなかにも、好例がたくさんあります。

 

バスケよりも3×3のほうがオシャレ。

バレーボールよりもビーチバレーのほうがカッコイイ。

サッカーよりもフットサルのほうが敷居が低くて気軽にプレーしやすい。

 
 

“青は藍より出でて藍より青し”

 

言うなれば本家から派生したようなスポーツが、本家よりもプラス印象を持たれるケースだってあるはずです。

 

日本フットサル連盟オフィシャルホームページ
http://www.jff-futsal.or.jp/

3×3.EXE | 3人制バスケットボールリーグ
http://www.3x3exe.com/

日本ビーチバレーボール連盟
http://www.jbv.jp/

 
 
 

硬式テニスから派生した、日本発祥の伝統ある競技ソフトテニスをどう位置づけていくのか。

これは日本ソフトテニス連盟だけが考えることではなく、競技に携わる選手や指導者、関係者全体で意識を変えていく必要があると思います。

 

硬式テニスよりもソフトテニスのほうがアツい。

硬式テニスよりもソフトテニスのほうが気持ちいい。

 

魅力に感じることは人それぞれ。

なんだっていいんです。

 

国内愛好者700万人とも言われるソフトテニスをさらに盛り上げるべく、これまでも現在もさまざまな方が各方面で奮闘されていることと思います。

たとえ個人でできることはちっぽけでも、一人ひとりが行動することでやがてそれが大きなうねりとなっていきます。

 

大好きなソフトテニス競技が、さらに盛り上がっていくことを願ってやみません。

私も微力ながら、その一助となれれば幸いです。


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