Photo by ぉまみ

テニスの聖地・有明テニスの森で開催された天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会の最終日。
これまで優勝経験のある選手は全て2日目までに敗れたため、ベスト4に残った誰が優勝しても初優勝となる。新たなスター誕生の瞬間を、観戦に訪れた3,000人を超えるソフトテニスファンが見守った。

その熱気に包まれるコロシアムのコートで法政大学の橋場柊一郎・菊山太陽ペアが頂点に立った。
橋場・菊山は前日の準々決勝で、アジア選手権チャンピオンの内本・上松(NTT西日本)を劇的な逆転勝利で破った勢いそのままに、準決勝でインカレチャンピオンの片岡暁紀・黒坂卓矢(日本体育大)にも勝利。
G2-2まではお互い譲らぬ展開だったが、橋場が冷静な配球でロブを使った展開に持ち込み、菊山が深くまで追うスマッシュで流れを引き寄せる。菊山を意識してかリードされてからの片岡の動きにやや固さがみられ、普段の片岡らしくないミスが目立ちはじめると、菊山がたたみかけるように積極的に動き、最後はG⑤-3と突き放した。
同世代のライバルとしてこれまでもしのぎを削ってきた両ペアだが、天皇杯直前に開催された全日本学生選抜インドアでは片岡・黒坂が勝利しており、橋場・菊山が見事リベンジを果たした格好だ。



もう一方の準決勝は社会人同士、NTT西日本の矢野颯人・内田理久ペアと上岡俊介・丸山海斗ペア(Up Rise/one team)の対戦。
社会人1年目の矢野は早稲田大学3年時にもベスト4入り(/荒木駿)しており、今回は昨年準優勝の内田とのペアで決勝進出を狙う。矢野はベースラインではキレのあるストロークで相手を切り崩し、チャンスには積極的に前に詰めるオールラウンダーぶりを発揮。対する上岡・丸山も、上岡の安定したコートカバーリングと丸山のフォロー力で相手にポイントを許さず一進一退の攻防がつづいたが、終盤の勝負どころで丸山が先にポーチを仕掛けてゲームを支配し、最後はファイナル⑦-4で決着。
日本代表の主軸としても定着し、円熟味を増す上岡・丸山は2022年以来となる2度目の決勝進出で初戴冠に王手をかける。





決勝では上岡が安定感のあるストロークでゲームを組み立てながら、丸山がコートを縦横無尽に駆ける2人の持ち味を発揮。対する橋場も持ち前の向かっていくテニスで積極的に攻めつづけチャンスを作り出し、菊山が仕掛ける二人で一本のテニスで上岡・丸山に喰らいつく。






雁行陣同士による見応えのあるラリーと駆け引きがつづき、会場全体が息を呑むような緊張感のなか、紙一重の勝負に橋場・菊山がファイナル7-5で勝利した。
学生ペアとしての天皇賜杯獲得は2018年の船水颯人・上松俊貴(早稲田大学)以来。80回の歴史のなかでも男子では大学生ペアによる優勝は過去8回しかなく、法政大学としては1958年以来67年ぶりの快挙となった。




▼橋場柊一郎選手のコメント
「優勝して嬉しい気持ちとびっくりしている気持ちがあります。2年間、ベスト8で満足してしまっている自分がいたので、今回はそこで満足することなく、ここ(コロシアム)で戦うことをイメージしていました。内本・上松と片岡・黒坂に勝って決勝に上がった以上は、恥ずかしい試合をしたら申し訳ないという気持ちで決勝を戦いました。その2ペアの分まで頑張れたと思います。
会場の雰囲気に飲まれることはなく楽しく試合できました。たくさんの観客の皆さんがコロシアムに入ってくれて声援を送ってくれたおかげで優勝できました。また皆さんを楽しませる試合ができるように頑張りますので応援よろしくお願いします」
▼菊山太陽選手のコメント
「本当にびっくりしてます。嬉しい気持ちと、本当に優勝したんだなという気持ちとごちゃ混ぜです。自分は楽しんでやったほうが調子も上がるので、最後まで笑えて試合ができたのは本当に良かったです。楽しくテニスをするというモットーで昔からやってきたので、それが優勝に導いてくれたのかなと思います。
チームのメンバーもたくさん応援してくれて楽しくできました。2日前に母が誕生日だったので、良いにプレゼントになりました。今後も頑張っていきたいです」
■2025天皇杯ソフトテニス大会結果
優勝 橋場柊一郎・菊山太陽 (法政大学)
準優勝 上岡俊介・丸山海斗ペア(Up Rise/one team)
3位 片岡暁紀・黒坂卓矢 (日本体育大学)
矢野颯人・内田理久 (NTT西日本)




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■大会情報
▶︎第80回 天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会(HP)
▶︎第80回 天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会(X)
▶︎一般社団法人 日本学生ソフトテニス連盟(HP)
▶︎【公式】一般社団法人 日本学生ソフトテニス連盟(X)








