Photo by ぉまみ

第80回 天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会の最終日。
有明コロシアムで行われる天皇杯・皇后杯は今回で3回目を数え、3,000人を超える観客がスタンドを埋めるなか女子ダブルス日本一を決める試合が行われ、高橋偲・岩倉彩佳ペア(どんぐり北広島)が初優勝を果たした。
大会3日目となるこの日、最初に行われた女子準決勝では、高橋・岩倉ペアが浪岡菜々美・久保晴華ペア(ナガセケンコー)と対戦。
序盤は浪岡・久保ペアが主導権を握り、G1-3とリードする展開だったが、高橋・岩倉が持ち味の安定したストロークと積極的に前に出る攻撃的なテニスで5ゲーム目を4-0で取るとそのまま波に乗りG⑤-3の逆転勝利。両ペアともチャンスがあればダブルフォワードの陣形を駆使し、前線でポイントを取り合う攻防が続いたが、後半は高橋・岩倉が流れをものにした。
昨年は高橋の姉、乃綾とのペアで惜しくも準優勝だった岩倉は2年連続の決勝進出で悲願の皇后賜杯へ王手をかける。高橋は昨年の4回戦敗退(ベスト32)から大きな飛躍を遂げ、大舞台でも堂々たる戦いぶりを見せた。


もう一方の準決勝では昨年3位の天間美嘉・左近知美ペア(日本体育大学)が、長谷川憂華・辻倉奈津ペア(ワタキューセイモア)を寄せ付けずG⑤-0で圧倒。天間の精度の高い技と左近の安定感が光り、終始落ち着いた試合運びを見せた。



天間は昨年の準決勝では妹の麗奈に敗れたが、今回姉の美嘉が勝てば昨年の麗奈の優勝につづいて姉妹での皇后賜杯獲得となる。
日体大主将としてインカレ団体3連覇などチームの大黒柱を担ってきた左近も、4年生で大学ラストイヤーとなり、3年生天間との日体大ペアとして臨む最後の皇后杯。

高橋・岩倉と天間・左近による決勝はどちらが勝っても初優勝。
国内最高峰の戦いにふさわしい厳かな空気に包まれるなか女子決勝戦が行われた。




互いに強い想いを持って臨んだ試合は接戦が予想されたが、正確なストロークで相手を崩しながら果敢に前へ詰めて勝負を仕掛けた高橋・岩倉が、天間・左近に自分たちのテニスをさせずG⑤-0のストレートで勝利。



元日本代表として国内タイトルにとどまらず国際大会でも数々の金メダルを獲得し、昨年度をもって惜しまれつつ引退した高橋乃綾が、4度の決勝進出を果たしながらも遂に手の届かなかった皇后賜杯を、妹の高橋偲と、元ペアの岩倉が手にした。
中本裕二監督の掲げる「前へ」というテニスを見事に体現した二人が、どんぐり北広島としてもクラブ創設以来の悲願だったタイトル獲得を成し遂げた。

▼高橋偲選手のコメント
「去年の乃綾(姉)の悔しさを、次の年にこうしてここで晴らすことができてよかったです。今までこんなに大きな大会で勝ち上がったことはなかったのですが、初めて大きい大会で決勝まで進めました。大会の少し前に乃綾が決勝の解説をするということを聞いて、絶対に決勝までいって乃綾の前で優勝を決めたいと思っていた。これまで勝てない時期があったのですが、それでもずっと応援してきてくれた方々に感謝したいです。まだまだこれからも頑張っていきたいと思います」
▼岩倉彩佳選手のコメント
「去年は高橋(乃綾)さんが最後だったのに私のミスのせいで負けてしまって悔しくて、今回それを晴らすためにいっぱい練習してきて、それが優勝につながって良かったです」
そう涙ながらに語る岩倉選手の姿から、今大会に懸けてきた並々ならぬ決意がにじんだ。
「新しいペア(偲)になって代表予選会で2位になってから結果が出なくて、どうしたらいいんだろうと悩むことも多かったのですが、こうやって大きな舞台で二人で考えながら、話し合いながら頑張れたことがよかった。決勝戦は強気でいけたのですが、初日の初戦(2回戦)で受け身になり過ぎて負けかけたがそこで踏ん張れて、そのあと2日目の小林・吉田(ヨネックス)戦、前田・中谷(明治大学)戦と山場続きでしたが勝ち切ることができました」
■2025皇后杯ソフトテニス大会結果
優勝 高橋偲・岩倉彩佳 (どんぐり北広島)
準優勝 天間美嘉・左近知美 (日本体育大学)
3位 浪岡菜々美・久保晴華 (ナガセケンコー)
長谷川憂華・辻倉奈津 (ワタキューセイモア)




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■大会情報
▶︎第80回 天皇賜杯・皇后賜杯 全日本ソフトテニス選手権大会(HP)
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▶︎一般社団法人 日本学生ソフトテニス連盟(HP)
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