Photo by ぉまみ

2025年千葉インカレ男子ダブルスは、日本体育大学の片岡暁紀・黒坂卓矢ペアが2年ぶり2度目の優勝を果たした。
決勝までの勝ち上がりは苦しい試合が続いた。ベスト16決めとなる6回戦の清水駿・宮田成将ペア(同志社大学)との対戦ではG1-4とリードされ追う展開。相手にマッチポイントを握られる場面が何度もあったが片岡・黒坂の両者はサービスエースや振り切るショットで食らいつき、最後はファイナルデュースの手に汗握るゲームを見事な逆転勝利。勝利への執念とここ一本での勝負強さを見せつけた。
続く7回戦の高橋拓己・増田裕介ペア(法政大学)との対戦も消耗戦となった。猛暑と前日までの団体戦の疲労もあって体力的に厳しい状況のなか、片岡が粘り強くラリーをつなぎ黒坂がアグレッシブにカバー。黒坂も団体戦では足を痛めて決勝でベンチに回るなど苦しいコンディションのなか互いを鼓舞し合いながら勝利をもぎ取った姿は印象的だった。
準々決勝では根岸澪紋・斎藤恭平ペアとの同校対決を制し、準決勝は昨年の沖縄インカレで敗れた浅見竣一朗・安達宣ペア(早稲田大学)と対戦。隙を見せない粘り強いプレーでG⑤-1と圧倒しリベンジを果たした。
決勝の相手は明治大学の3年生ペア中村悠峰・岡田侑也。持ち前のパワフルなプレーに安定力を備えて勝ち上がってきたダブルフォワード中村・岡田に対し、優勝まであと1勝に迫った片岡・黒坂ペアは鬼気迫るプレーで相手に自分のテニスをさせず、わずか5ポイントしか許さない圧巻の勝利で堂々インカレチャンピオンの座に返り咲いた。






▼黒坂卓矢選手のコメント
「優勝が決まった瞬間、『あきさん(片岡)を勝たせてよかった』という思いでいっぱいでした。ほっとしたというか本当に嬉しかったです。同志社大(清水・宮田)との試合でマッチポイントを握られながら勝ち切れたことは大きな自信になりました。全試合が体力勝負でしたが、あきさんとお互いを鼓舞し合いながら気合いで最後まで戦い抜きました」
黒坂選手は片岡選手とのペアの強みについて「大事な場面でしっかりポイントを取れるところ」と語る。最後に「いつもたくさん応援していただいて本当に感謝しています。これからもっともっと強い黒坂卓矢を見せたい」とさらなる飛躍を誓った。
▼片岡暁紀選手のコメント
「今までの大会で一番うれしいです。大会を通じて最も苦しかったのは、同志社大の清水・宮田戦です。1-4で負けていたときは正直負けが頭をよぎりました。春の関東から東インカレと個人戦での負けが続いていて、今回のインカレ団体戦でも敗れていたので、ダブルスではすべてを出し切るつもりで戦おうと思いました。
連戦で体力的にも厳しい状況でしたが、こんな自分を仲間たちが最後までサポートして、応援してくれたことに感謝しかないです」
団体戦からの連戦で疲労困憊のなかでも「絶対優勝してやる」と気迫みなぎる戦いぶりを見せた片岡・黒坂ペア。先輩後輩という関係を超え、互いを信頼して助け合う瞬間が随所に見られた。優勝の瞬間、涙を見せた片岡とそれを抱きしめる黒坂。2人が交わした言葉と抱擁、そのすべてが王座奪還までのドラマを象徴していた。4年生の片岡にとってこのインカレは大学競技人生の集大成でもある。1年時に準優勝(/森田)、2年での初優勝(/黒坂)、3年で3位(/黒坂)。ラストイヤーの4年で再び優勝。4年間インカレダブルスで表彰台に立ち続ける快挙を成し遂げ有終の美を飾った。





■大会結果
優勝 片岡・黒坂(日本体育大学)
準優勝 中村・岡田(明治大学)
3位 浅見・安達(早稲田大学) 佐藤・守山(日本体育大学)














