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インターハイ男子個人戦2日目。この日はベスト64による4回戦からスタートし、決勝までの6試合を最後まで戦い抜いた亀安隼亘・関口光希ペア(尽誠学園)が、最後は山本一輝・笹川慈瑛ペアとの同士討ちをファイナルで制して頂点に輝いた。

尽誠学園は昨年のインターハイで史上初の5連覇がかかった団体決勝においてライバル高田商業に優勝を阻まれた。その年のレギュラーは全員3年生であったためメンバーが総入れ替えとなっての新チームスタートだった。絶対的エースといえる存在はいない状況のなかでも層の厚さは健在。熾烈なレギュラー争いのなかで大会ごとにメンバーの入れ替えや、ペアの組み替えなども見られた。
そうしたなか今大会での尽誠学園の活躍は目覚ましく、個人戦出場8ペアのうち7ペアが2日目へ。各コートでチームカラーの黄色いウェアをまとった選手たちが躍動し、有力校のエースたちとの厳しい戦いに競り勝ってベスト4に山本・笹川、木原・伊藤、亀安・関口の3ペアが勝ち上がった。






山本・笹川ペアは初日の3回戦でハイスクールジャパンカップ3位の手塚・竹之内ペア(木更津総合)との接戦に勝利すると、そこからさらに勢いを増していき、6回戦では第1シードの水木・松田(東北)をG④-1で撃破。つづく準々決勝では岡崎城西のスーパールーキー塚本・山田ペアにもファイナルで競り勝ってベスト4を決めた。
準決勝は木原・伊藤ペアとの同士討ちとなったが、木原が準々決勝勝利直後に熱中症により棄権となり決勝進出。最後は亀安・関口ペアに一歩及ばなかったものの、尽誠学園の王者の意地を存分に見せる戦いぶりだった。

一方の亀安・関口ペアは、準々決勝までの6試合で失ゲームわずか2という破竹の勢いでの勝ち上がり。準決勝では今大会優勝候補筆頭といえる植田・荻谷ペア(高田商業)との大一番。互いに譲らない試合展開でファイナルの接戦となったが最後はF7-5で亀安・関口ペアが勝利して決勝に進んだ。



昨年のインターハイ個人でもタイトル獲得を有力視されながら3位に終わった植田は、途中G1-3と先行されながらも鬼気迫るプレーでファイナルまで追いついたが最後はわずかに及ばず決勝進出は叶わなかった。2年連続の3位は堂々の結果だが、3年生最後の夏にインハイチャンピオンの称号にあとわずかで届かなかった悔しさを、明日の団体戦にすべてぶつけてくるだろう。
植田と同じ清明学園中学出身の関口は、「小・中と東京選抜でも一緒に戦った仲間でありライバルの植田だが、やりづらいという感覚はとくになかった。ただ絶対に負けたくないという意地の戦いだった」と語った。

▼亀安隼亘選手のコメント
「去年の3年生たちの負けもあったので、そこが一番の原動力でした。森先生からも『今大会は意地の張り合いだ』とずっと言われていたので、自分たちだけでなく尽誠全体として1日目からマッチを握られていたペアもあったなか、そこで意地を見せて簡単に負けなかったのが大きかったです。みんなが厳しい戦いを勝ち切ってくれたのがチーム全体の勢いにつながったと思う。自分のなかでは笹川が一番苦手な前衛で決勝は勝てる自信はなかったが、ペアの光希が『あとはやり切るだけだ』と声をかけてくれたので吹っ切れて勝つことができました」
▼関口光希選手のコメント
「小学校3年からテニスを始めて、父親がずっと練習に付き合ってくれていたので今回の優勝で親孝行ができたと思います。僕はずっと試合中の態度が良くなかったりそういうところがあって、それもあって春の高校選抜もメンバーに入れなかった面もあるのですが、それでも森先生が見捨てずにずっと声をかけ続けてくれていました。森先生がいなかったらこの優勝はなかったと思います。僕のなかでもインハイ前からずっと森先生が言っていた『意地の張り合い』という言葉が背中を押してくれました」









