Photo by:ぉまみ / SOFT TENNIS Navi

中華台北の絶対的エース、ミックスダブルス巧者のユー・カイウェンが、ファン・シュエンとのペアで同国に今大会第1号の金メダルをもたらした。
ユー・カイウェンは2018年のアジア競技大会でミックスダブルスを優勝(/チェン・チューリン)している。2019年の世界選手権では男子ダブルス優勝(/リン・ウェイジェ)、昨年2024年の世界選手権でも男子ダブルス優勝(/クォ・チェンチュン)しており、今回が3大国際大会の個人戦では4つ目のタイトル獲得となる。ファン・シュエンは国際大会で初のタイトルを手にした。
準決勝では日本の前田梨緒・上松俊貴ペアと対戦。現在世界ナンバーワン前衛の双璧ともいえる上松との対戦は接戦が予想されたとおりG2-2までは両者譲らぬ緊迫したシーソーゲームを展開。前田・上松は5ゲーム目で相手にリードを許すと、流れはカイウェン・シュエンに向いた。シュエンの安定したストロークとカイウェンのアグレッシブなネットプレーが光る。上松が流れを変えようと試みるも、カイウェンの猛攻に挽回の余地なく最後はG⑤-2で決着。


もう一方の山からは、全日本ミックスダブルス王者の天間麗奈・丸山海斗ペアが決勝進出。2回戦で中華台北のクォ・チェンチュン/チョウ・イェンジェンとG⑤-3と苦しい場面をくぐり抜けたあと、準々決勝では韓国のイ・ミンソン/パク・ジュギ、準決勝でインドのメイナ・ジェイ/ティワリ・アダヤに勝利した。
男子シングルスに続き表彰台に姿を現したインド代表のメイナ・ジェイ選手は、天間・丸山にはG0-⑤と力及ばなかったものの、2種目での4強入りで確かな実力を証明した。


決勝戦のユー・カイウェン/ファン・シュエンと天間・丸山との試合も互いに難しい試合になると思われたが、シュエンの正確なストロークとカイウェンの広い守備範囲がうまく噛み合い最初の3ゲームを連取。カイウェンの巧みな駆け引きによって相手の陣形を崩し、シュエンも要所でパッシングを決めるなど粘る日本ペアに挽回の余地を与えず、G⑤-2で優勝を手にした。








ミックスダブルスアジアチャンピオンに輝いた中華台北の2人は、このあとの個人戦ダブルス、国別対抗でも日本の脅威となる存在だ。
▼ファン・シュエン選手のコメント
「国際大会での初めての優勝はとても感動的で、ここまで来れると思っていなかったので試合が終わった途端に涙が込み上げてきました。カイウェンさんが『リラックスしてやれ』とたくさん声をかけてくれたおかげです。私にとってカイウェンさんは練習でも試合でもいつも励ましてくれた、兄のような存在でもあり、コーチでもあります」
▼ユー・カイウェン選手のコメント
「優勝できたのは、ただ競技を楽しむという気持ちで望めたから。去年の世界選手権で個人戦ダブルスで金メダルを獲れたことが自信になり、リラックスした状態で臨むことができた。シュエン選手が全てのボールを安定的に打ってくれて、のびのびプレーすることができたことが本当にありがたい。2018年のアジア競技大会にチェン・チューリンとのペアで優勝したときはもっと緊張していたし周りの期待もあった。シュエンを必ず優勝させてあげたかったしその自信もあった。
とくに日本代表の上松選手はライバルとして意識していたので対戦では緊張しないように努力したのと、焦らず練習のような感覚で普段のプレーをすること、相手の対策というよりも自分自身と向き合った。
来年名古屋で開催されるアジア競技大会に向けては、まず国内の選抜戦で勝つということ。台湾では代表選手だけではなく、実力のある選手が国内にたくさんいる。お互いの弱点を知っているからこそ勝つのは簡単ではないのでまずは代表入りしたい」
■大会結果
優勝 ユー・カイウェン/ファン・シュエン (中華台北)
準優勝 天間麗奈/丸山海斗 (日本)
3位 前田梨緒/上松俊貴 (日本) メイナ・ジェイ/ティワリ・アダヤ (インド)





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