Photo by ぉまみ

今年の女子シングルスは、シードの有力選手たちが軒並み上位に勝ち上がれない波乱含みの展開となった。そのなかで確かな実力を証明したのが、日本体育大学の天間美嘉選手だ。
上位進出が期待された前回チャンピオンで第1シードの本間友里那選手(神戸松蔭大)は、初戦の2回戦で渡辺莉央選手(立教大)にまさかの敗退。第2シード中谷さくら選手(明治大)、第3シード青松淑佳選手(明治大)がそれぞれ4回戦で敗退しベスト16。第4シード細田美帆選手(日体大)は3回戦敗退と、外シードがすべて準々決勝を前に姿を消した。
インカレは猛暑のなか団体、個人(ダブルス・シングルス)で5日間の連戦となるため、試合数が多くなる有力校の選手たちにとっては最終日にあたるシングルスでは体力やコンディション管理の面で厳しい戦いとなる。
そうしたなか、第1シードの山から勝ち上がってきたのは、國學院大の1年生庭田咲月選手。4回戦で前田梨緒選手(明治大)にG④-2で勝利すると、つづく準々決勝も及川咲空選手(東京女子体育大)にストレートで勝利しベスト4入りを果たした。準決勝では天間選手に0で敗れたものの存在感を示した。


もう一方の山からは吉木理彩選手(日体大)と高橋瑚子選手(早稲田大)がベスト4入り。吉木選手は選手層の厚い日体大において今回のインカレ大学対抗では出番がなかったが、定評のあるシングルスで実力を発揮。高橋選手との準決勝をG④-0で抑えて見事決勝進出を果たした。


同校対決となった決勝。天間と吉木は学年も同じ3年生同士。序盤はシーソーゲームが続きゲームカウント2オール。そこから天間が冷静な判断と強靭なメンタルで勝機をつかみ、最後はG④-2で突き放し頂点へと駆け上がった。
天間選手はこのインカレを通じて、大学対抗優勝、ダブルス準優勝、シングルス優勝と3冠まであと一歩に迫る大車輪の活躍を見せた。酷暑のなか最後まで走り切るスタミナは日体大の大きな強みであり、拮抗する世代のなかでも勝敗を分ける鍵となった。




▼天間美嘉選手のコメント
「疲れはありますけどまだまだ動けるような気もします。今日も体力をしっかり管理しながら試合に臨めました。優勝できてただ嬉しい、という気持ちです。試合に臨む前から『優勝したい』と思っていましたが、とくに考えすぎず自分のできることをやろうと心がけ、ベストを尽くすことだけを意識していました。11月には皇后杯がありますが去年は3位で終わってしまったので、今年はもう一度あの舞台に立って、左近さんと一緒に優勝を目指して頑張ります。朝早くから夜遅くまで、応援やサポートをしてくださったみなさんのおかげでここまで来られました。本当にありがとうございます」
■大会結果
優勝 天間美嘉 (日本体育大学)
準優勝 吉木理彩 (日本体育大学)
3位 庭田咲月 (國學院大學) / 高橋瑚子 (早稲田大学)

優勝/天間美嘉 (日本体育大学)

優勝/吉木理彩 (日本体育大学)

3位/庭田咲月 (國學院大學)

3位/高橋瑚子 (早稲田大学)










