今年もやってきました!
ルーセントカップ東京インドア。
千駄ヶ谷にある東京体育館には、朝から開場を待ちきれない人、人、人。
ここに集まった誰もがソフトテニス大好きな人たちと考えると、思わず嬉しくなってしまいます。
あたかも近所の気さくなおっちゃんかのごとく、通りすがりの見知らぬ人にまで挨拶を交わしたくなりますが、小心者なのでやめておきました(笑)。
初めて会場で観戦した昨年と違い、今年は多少勝手がわかってきたこともあり、気持ちにも余裕をもって試合を楽しめました。
ルーセントのカタログモデルとしてもお馴染みのアイドルグループ、「さくらシンデレラ」によるミニライブも。
アイドルには疎い私でも、ソフトテニスに所縁のあるアイドルとなれば自然と応援したくなります。
物販ブースは今年も大盛況。
ニューウェアや大会記念グッズなど、気になるアイテムが目白押し。
みなさん開場後、試合が始まる前に買い物を済まそうとの思惑か、朝の時間が一番のラッシュアワーのようです。
今後のために付け加えると、目当ての商品が品切れにならないように、事前にネットで情報を入手しておき入場したら朝一で物販ブースに向うべし!
ルーセント 公式サイト
ルーセント OFFICIAL BLOG
なんだかディズニーランド攻略法みたいな話になりそうなので、本題に進みます。
このルーセントカップは、本年度の主要大会で優秀な成績を収めた男女8ペアの招待選手により争われます。
実業団選手から学生まで、各カテゴリーにおける日本一や日本代表選手がしのぎを削る、国内最高峰のインドア大会の一つです。
あまりにも見所が多すぎて、書きたいことを全部書くと最低でも長編3部作くらいになってしまうので自粛します。
まず注目すべきは、天皇杯3位の現役高校生、上岡・広岡ペア(上宮高校)です。
昨年のハイスクールジャパンカップでのダブルス優勝、同シングルス優勝(広岡宙選手)と準優勝(上岡俊介選手)。
インターハイ個人では2位でしたが、同世代では最有力ペアと目される2人です。
昨年の本倉・上松ペア(岡山理科大学附属高校/当時)に続いて、新たな現役高校生チャンプが誕生するかと期待がかかりましたが、なんと予選ブロックで対戦した3ペアの全員がナショナルチームメンバーという激戦でした(*)。
(*)上岡・広岡ペアは全日本U-17チームメンバー
現役日本代表がズラリと居並ぶ予選リーグでは残念ながら3戦全敗とリーグ抜けならず。
いくらスーパー高校生といえど、選りすぐりのトップ選手たちが集まるルーセントカップでは優勝の壁は厚いです。
そして、今大会もう一つの注目。
2008〜2015年までこの東京インドアで前人未到の8連覇の偉業を成し遂げたスターペア、シノコバこと篠原・小林ペアも、今回が最後の東京インドアとのこと。
3年ぶりの頂点に返り咲き、有終の美を飾れるか。
会場で販売されている大会プログラムにも引退を示唆する言葉が。
いまだ衰えを知らないそのプレーは、この日も多くの観客を魅了しました。
見事予選リーグを通過して準決勝までコマを進めるも、一歩及ばず第3位。
準決勝敗退が決まった瞬間。
観客席で試合を見守っていたご家族や関係者と思われる方々みなさんが
「感」「動」「を」「あ」「り」「が」「と」「う」
と文字の書かれたプラカードを掲げ、ただ見ていただけのはずの私も涙をこらえるのに必死でした。
長年、日本ソフトテニス界を先頭に立って引っ張ってきた両選手。
それをコートの外から見守り続け、ずっと支え続けてきた人たち。
夢を追いかけ続けたり、一つのことに没頭するのも、決して自分一人でできることではありません。
小林幸司選手のサインを何度か見たことがあるのですが、そこにはいつも「感謝」という言葉が書かれていることが印象的でした。
やはり一流の人は違います。
最後まで格好良すぎます。
私は最近まで10年以上もソフトテニスから離れていたため、篠原・小林ペアの活躍をそのほんの一部しかリアルタイムに見ることができませんでした。
長いブランクから復帰した頃にYouTubeで2人の試合をはじめて見て、自分のなかのソフトテニスの概念が覆されたような衝撃を覚えました。
私の知っている世代でいえば、北本・斎藤や中堀・高川などと並び、間違いなくソフトテニス界でこの先も長く語り継がれるレジェンドです。
その感動は、シノコバに憧れて日本代表を目指す多くの子供たちにも、きっと受け継がれていくはずです。
ダブルフォワードの先駆者であるシノコバの試合は見ていて勉強になることばかりですが、他のペアにも普段と違う戦い方が見られるのもインドアならでは。
上松俊貴選手のアンダーカットサーブや、船水颯人選手の平行陣によるネットプレーなど、見ていて新鮮でした。
もちろん男子ばかりでなく、女子も見逃せない熱い試合が満載です。
なかでも多くのファンの注目の的は、昨年67年ぶりの現役高校生皇后杯チャンプとなった林田・宮下ペア(文大杉並高校)。
昨年のルーセントカップ東京インドアでも、高校2年生ながら準決勝まで勝ち上がりました。
インターハイ個人・団体優勝、国体優勝に加え、ついには皇后杯まで獲って負け知らずの今年は優勝候補の最右翼といえます。
準決勝では、名門実業団ワタキューセイモアの植田・石井ペアに4ゲーム先取されるも、そこから挽回して⑤-4で勝利。
苦しい状況でも崩れない落ち着いたプレーも圧巻でしたが、ポイントを取るごとにスタンドで声援を送る文大杉並のチームメイトたちへ向けた笑顔のガッツポーズ。
団体戦でもなく、ましてや高校生の大会でもないのに、チームと一緒に戦っているという気持ちが伝わってきました。
林田・宮下ペア本人たちは言わずもがな、文大杉並チームが素敵すぎます。
優勝に向けて死角なしかと思われましたが、そこに立ちはだかったのが高橋・半谷ペア(どんぐり北広島)。
昨年もこの東京インドアを含む主要インドア3冠を達成し、強さが際立っています。
昨年の皇后杯決勝の再現となった対戦は、高橋・半谷ペアに軍配が上がり、見事2連覇を達成。
一方の男子決勝では、天皇杯王者の水澤・村上ペア(NTT西日本)に対して、インドアならではの戦いを見せた船水・上松ペアが勝利。
上松俊貴選手は、大会史上初の高校生チャンプとなった昨年に続く2連覇。
一昨年にはアジア選手権のダブルスでも優勝しているこの若い2人の勢いはとどまることを知りません。
ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会 試合結果
ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会 注目動画
男子/決勝
船水・上松ペア(早稲田大学) 対 水澤・村上ペア(NTT西日本)
女子/決勝
林田・宮下ペア(文大杉並高校) 対 高橋・半谷ペア(どんぐり北広島)
SOFT TENNIS Navi
https://www.youtube.com/c/SOFTTENNISNavi
見応え十分すぎて、お腹いっぱいのルーセントカップでした。
今年見られなかった方は、来年はぜひ会場で生の感動を。
過去記事:平成28年度 ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会