コロナとの付き合いも2年になります。
終息するどころか新たな変異株の脅威に、今も私たちの日常生活は脅かされて続けています。
一昨年に続いて、2021年も各カテゴリーで主要な大会開催が縮小されたり、中止を余儀なくされる状況が続きました。
コロナによって奪われてしまった掛け替えのない時間。
取り戻すことはできないにしても、せめて何らかの形でその空白を埋めることができたら。
そんな想いから行われたイベントがありました。
会場は大田区スポーツセンター。
入場人数に制限を設けているものの、会場には選手たちの姿を一目見ようと朝から駆けつける観客の姿。
いまの大学4年生の世代は、集大成となるはずだったインカレも2年連続中止。
大学王座やリーグ戦など主要な大会もことごとく中止となったうえ、大学によっては練習さえままならない状況も長く続きました。
青春をソフトテニスに賭けてきた若者たちにとって、不完全燃焼のまま大学生活の終わりを迎えることに。
そんな彼ら彼女らのために用意された舞台が、この「と或る世代の祭の日」
ソフトテニスを始めた頃から長年支え続けてくれた家族の前でプレーする貴重な機会となりました。
参加しているのは、いずれもこの世代のトップを走ってきた選手たち。
その選手たちが4チームに分かれて団体戦で競い合います。
オーダー順は、男子ダブルス、女子ダブルス、ミックスダブルスの3ペア対戦。
ライバル同士や、元ペアによる対決など、見どころ満載の試合が続きます。
ピリピリした緊張感のなかで戦う真剣勝負も面白いですが、この日は和気あいあいとした和やかなムード。
みな、昔からの仲間との最後の共演を楽しんでるようでした。
すでに部活を引退して、いまは練習をしていない選手も少なくないはずですが、それでも磨いてきた技は一級品。
会場を沸かせるプレーが随所に見られました。
同じ競技を通じて、同世代のライバルとして切磋琢磨してきた選手同士。
小学生、中学生の頃から頭角を表し、全日本アンダー代表としても活躍していたトップ選手たち。
これまでも数々の名勝負を繰り広げてきました。
春からはそれぞれが新しい道へ。
実業団やプロとして、さらなる高みを目指す人。
大学卒業で競技には区切りをつけて、一般企業に就職したり、教員や指導者を志す人も。
途方もない努力と研鑽を積み重ねて、なかなか真似できないような結果を出してきた人たちです。
どんな道に進もうとも、それぞれがきっとまた新しい夢を叶えていくことでしょう。
団体戦のあとは、エキジビジョンマッチ。
会場に来てくれた人たちへのサービスとして、みんなが見たいあんなペアや、こんなペアも。
中学・高校時代から常に注目を集めてきた上岡・広岡ペア。
昨年、大学生ながらプロ宣言をして新境地へ踏み出した上岡俊介選手。
上宮高校からNTT西日本へ進み、すでに実業団のトップチームで活躍を続ける広岡宙選手。
これからも日本の頂点、さらにはその先の世界を目指して挑戦を続けていくことでしょう。
そして、この二人も多くのファンを魅了してきました。
これが林田・島津ペアでのラストマッチだと思うと、なんとも言えない気持ちです。
高校時代は同じ東京の強豪校同士のライバルとして。
そして大学時代はペアとして皇后賜杯まで手にした二人。
国際大会まで追っかけしていた身としては、もっと長く二人の活躍を見ていたかったです。
とはいえ、それぞれが自身で決めた道。
彼女たちの軌跡は、それを目にした人たちの胸の中にいつまでも輝いています。
この日参加した選手の多くは、ソフトテニス競技人生に区切りをつけて第一線を退きます。
それでも、またいつかひょっこりテニスコートに戻ってきてほしいです。
クラブチームでも、週末に趣味でやるだけでも、子供たちに教えるでも。
なんなら、おじさん、おばさんになってからだっていいんです。
いつまでも待ってます。
ひとまず、お疲れさまでした。
同じ世代で戦ってきた仲間たちの絆。
それぞれの決意を胸に、ここから大きく羽ばたいていくことでしょう。
みなさんの今後の更なるご活躍を祈念しています。
選手たちの想いや情熱は、その姿を目に焼き付けた次の世代にきっと受け継がれていくはずです。
こんな素敵な企画を実現してくれたのは、軟庭堂の高井志保さんと、山根稔平選手のお兄さんで「かんたまん」こと山根幹太さん。
今回参加している選手たちは、高井さんが全日本アンダー17チームの監督を務めていたときの教え子たちです。
大学最後の活躍の場がなかった選手たちに、せめてその花道を飾ってあげたいという想い。
そんな兄弟愛や師弟愛に包まれた温かい空気が流れる素敵なイベントでした。
最後に選手たちからのサプライズ。
いいもの見させてもらいました。
もちろん、かんたまんも。
いつまでも心に残るような、いい卒業式でしたね。
前途洋洋。
少し早いですが、ご卒業おめでとうございます!
次の新しいステージでも、目一杯輝いてください!!