ソフトテニス界における真冬のビッグイベント。
ここ数年に渡り、毎年1月は欠かさずルーセントカップ東京インドアを観に来ています。
この時期、名古屋、東京、大阪など、主要都市で大きなインドア大会が開催されます。
自分が住んでいる地域の近くでトップ選手たちの迫力あるプレーが生で見られるとあれば、ソフトテニスファンとして行かない手はありません。
この日はあいにくの雨。
でも、インドアだからへっちゃら。
と思いきや、悪天候でバスが渋滞して会場に遅れて到着。。
開場時間から15分ほど遅れてしまいましたが、それでも入口の外にはまだ入場しきれない人たちの長い列。
今年はキッチンカーの出店もあり、来場者への配慮が感じられます。
さすがルーセントさんです。
このルーセントカップ東京インドアは、ソフトテニス興行のロールモデルと言って過言ではありません。
自分でも毎年同じことを言っている気がしますが、お金を払ってでもトップ選手たちのプレーが見たいという人がこれだけいるわけです。
ソフトテニスも捨てたもんじゃありません。
とはいうものの、会場の入りは超満員とまではいかず、7〜8割といったところでしょうか。
東京オリンピック・パラリンピックに伴う工事の関係で、昨年に続いて駒沢体育館での開催。
それまでの東京体育館よりもコンパクトになったぶん、欲を言えば客席がビッシリ埋まる壮観な姿を拝みたいところ。
せっかく東京での開催なわけですから、母数の大きい首都圏の中学生、高校生をもっと呼び込む手段はまだまだありそうな気がします。
そのためにはスポンサーやメーカーだけでも駄目、主催連盟だけでも駄目です。
誰かがやってくれるのを期待するのではなく、ましてや不満や文句だけ言っていても何も始まりません。
関係者が相互に連携しながら、それぞれの持ち場で出来ることを尽くしていく必要があります。
選手や運営者側の問題だけでなく、ファンの存在も大きいです。
他のスポーツ競技に目を向ければ、同じような課題を抱えているケースや、それを克服するべくさまざまな取り組みがされており参考になる事例も少なくありありません。
2/2に大阪で行われる全日本インドア選手権では、連盟主導によるYouTubeライブ配信やリアルタイムでのスコアシステムのテスト運用など、新たな取り組みもなされるようです。
いきなり理想形を実現するのは難しいとしても、一歩一歩変えていこう、新しいことをやっていこうという機運が生まれているのは賞賛すべきことですし、ファンとしても大変喜ばしいことです。
「見るスポーツ」として、競技・大会自体の価値を高める、そしてファンを育てる。
そこに対して、まだまだやれることはたくさんあります。
またこういう話をしだすとつい止まらなくなるので、ほどほどにして試合の話を。
今年度の天皇杯・皇后杯、全日本社会人、インカレなどの主要大会を通じて、優秀な成績を収めた招待選手たちで争われるこの東京インドア。
出場選手の大半が、先日発表された今年のナショナルチームメンバーという豪華な顔ぶれ。
どの対戦カードも見ごたえ抜群です。
出場男女6ペアずつが、それぞれ3ペアによるリーグ戦を戦い、その勝者による決勝戦が行われます。
(徳川愛実・黒木瑠璃華/ヨネックス)
前回優勝のヨネックス徳川・黒木ペア。
初戦の相手は昨年の世界選手権ダブルスチャンピオンで皇后杯2位の高橋・半谷ペアです。
(高橋乃綾・半谷美咲/どんぐり北広島)
黒木選手のカットサービスや、徳川選手が前に詰めてのダブルフォワード陣形など、インドアならではの戦術も見どころ。
ここでは高橋・半谷が前回チャンプを2で抑えて勝利。
いきなりハイレベルな試合が展開されます。
一方、隣のコートでは皇后杯女王の林田・島津ペアが登場。
世界選手権個人戦ダブルスでは、決勝で惜しくも高橋・半谷ペアにファイナル逆転負けを許したものの、今大会でももちろん優勝候補の筆頭です。
(林田リコ・島津佳那/東京女子体育大学)
その林田・島津ペアですが、リーグ初戦で対戦した日体大の笠井・久保ペアにファイナル負け。
(笠井祐樹・久保晴華/日本体育大学)
笠井・久保が昨年のインカレ個人決勝のリベンジを果たした格好です。
出場ペアのレベルの高さゆえ、どこが勝ち上がるのか読めない面白さがあります。
続いて入った男子の初戦。
天皇杯王者の船水・上松ペア。
昨年よりプロ選手としての活動をスタートした船水颯人選手。
実力はもとより、注目度もNo.1といえます。
(船水颯人・上松俊貴/ヨネックス・早稲田大学)
対するは、昨年の世界選手権日本代表。
国別対抗団体金メダルにも大きく貢献した中本・鈴木ペア。
(中本圭哉・鈴木琢巳/福井県庁)
ファイナルの接戦は船水・上松に軍配。
天皇杯2位の兄弟ペア、安藤・安藤。
(安藤優作・安藤圭佑/東京ガス・東邦ガス)
対するは昨年のインカレ個人ダブルス優勝、早稲田大学の長尾・松本ペア。
(長尾景陽・松本倫旺/早稲田大学)
安藤兄弟も早稲田大学在学中に2人でインカレダブルスを制していますので、新旧インカレチャンプ対決に。
ここは先輩ペアがファイナルの接戦を制して、安藤・安藤の勝利。
毎試合、毎試合が注目の対戦となり、目移りしてしまいます。
東京体育館での4面展開も豪華でしたが、じっくり試合を見るには2面がちょうど良いのかも知れません。
(小林愛美・吉田澪奈/東京女子体育大学)
(横山温香・大槻麗/東海市連盟・ダンロップ)
昨秋の全日本社会人で急造ペアながら優勝をさらった横山・大槻ペア。
ここでも息のあったプレーを披露し、見事予選リーグ突破。
皇后杯チャンプで、本命かと思われた林田・島津ペアが2敗で終わる意外な結果に。
男子の迫力満点のプレーも楽しいですが、混戦の女子も見ていて非常に面白いです。
これだけ実力拮抗していると、勝者を予想するのも容易ではありません。
男子の昨年度優勝ペア、林田・柴田もリーグ戦1勝1敗で、決勝進出ならず。
(林田和樹・柴田章平/ヨネックス)
一方で、今大会勢いがあったのがこのペア。
(丸中大明・林湧太郎/NTT西日本)
長江光一選手の大会直前の怪我により、急遽選手変更での出場となった林湧太郎選手。
高田商業でインハイ個人2連覇の偉業を果たしたのも記憶に新しい、NTT西日本のルーキーです(*)。
(*2017 阪本崚/、2018 下原涼太/)
ルーキーらしく1球1球に気迫のこもったプレーが印象的。
1戦目の中本・鈴木ペアとの試合をファイナルで落としたものの、続く第2戦で船水・上松ペアを④-2で下して、三つ巴の結果リーグ突破で決勝へ。
日本代表の丸中選手の安定感抜群のプレーも目を引きますが、プロを相手にも堂々の戦いぶりです。
決勝戦を前に、すでにお腹いっぱいなくらい凄い試合の連続。
やっぱり、今年も見に来て良かった!
ルーセントカップといえば、試合観戦だけでなく毎年物販ブースも楽しみです。
欲しがったらキリがないので、ウェアやTシャツはなるべく見ないように自制しているのですが、それにしてもなぜにここまで毎年毎年格好いいウェアが次から次へと出てくるのでしょうか。
今回はテレビアニメ、星合の空の関連グッズ販売も盛況でした。
むむ。
このウェア欲しい・・・。
ルーセントさん、これ限定発売とかしてくれないのでしょうか。
結構人気出そうな気が。
男女の決勝戦を待つあいだ、アリーナでは恒例のプレゼント抽選会。
ソフトテニスの司会といえばもはやお馴染みのこの方、日テレの藤井恒久アナ。
ベンチコートもそろそろ新しいのが欲しいなぁ。
ラケットバッグももう一つくらいあってもいいなぁ。
10万円の旅行券があたったらどこ行こうかなぁ。
・・・。
そんな妄想を軽々と吹き飛ばしてくれた抽選会も終わり、いよいよ決勝戦が始まります。
女子の決勝は、横山・大槻ペアと高橋・半谷ペアの顔合わせに。
ハイテンポな高速ラリーの応酬になりがちな男子と比べて、女子の魅力はその立体的なゲーム展開にあると思います。
一発強打でポイントを取りにいくのが難しいのもあり、ロブを駆使して2人で1本を取りにいくプレースタイルが、見ていて飽きません。
予選リーグから、横山選手の配球と大槻選手のコート内を縦横無尽に動く積極果敢なプレーが光っていましたが、相手もさすが世界チャンピオン。
そう簡単には崩せません。
高橋・半谷ペアが強さを発揮し、2年振り3回目の優勝。
とくにインドアにおけるこの2人は、混戦の女子のなかでも頭一つ抜けている印象があります。
そして最終戦。
男子決勝。
安藤・安藤ペアと丸中・林ペアの対戦は、どちらが勝っても初優勝となります。
序盤は丸中・林のダブルフォワードが一気にたたみ掛け、ゲームカウント3-0と先行します。
決勝戦だけは9ゲームで行われるため、0-3でもまだ勝負は分かりません。
安藤・安藤が徐々に立て直し、2ゲーム挽回して2-3。
続く第6ゲームのデュースが勝負の分かれ目だったか、ここを丸中・林が締めてそこから流れはNTTの2人へ。
最後は⑤-2で丸中・林ペアの初優勝。
林選手は、長江選手のピンチヒッターという大役を見事に果たしました。
これでまだ社会人1年目とは、やはりこの選手も末恐ろしい!
ルーセントカップ 第60回 東京インドア全日本ソフトテニス大会試合結果
第60回 東京インドア全日本ソフトテニス大会 | ルーセントカップ2020 > 組合せ表/結果
https://lucent-sports.com/cup2020/tokyo-game/
東京都ソフトテニス連盟 > 大会結果 > ルーセントカップ 第60回 東京インドア全日本ソフトテニス大会結果
https://softtennis-tokyo.com/03_result/762/
東京インドアの熱戦は幕を閉じましたが、インドアシーズンはまだまだこれから。
みなさんもぜひ、お近くで開催の大会には会場まで足を運んでみてください。
冬のあいだのトレーニングに加えて、一流選手たちのプレーを目に焼き付けることが必ず良い結果をもたらすはずです。
ルーセントカップ 第60回 東京インドア全日本ソフトテニス大会 注目動画
男子/決勝
丸中大明・林湧太郎(NTT西日本)対 安藤優作・安藤圭祐(東京ガス・東邦ガス)
女子/決勝
横山温香・大槻麗(東海市ソフトテニス連盟・ダンロップ)対 高橋乃綾・半谷美咲(どんぐり北広島)
SOFT TENNIS Navi
https://www.youtube.com/c/SOFTTENNISNavi
過去記事:平成30年度 ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会
過去記事:平成29年度 ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会