大興奮のアジア競技大会は、5日間に渡る熱戦の幕を閉じました。
今回の開催ホスト国であるインドネシアも、男子シングルスで銀と銅、女子シングルスで銅。
さらに男子国別対抗でも銅メダルを獲得し、日韓台の上位3強国に迫る躍進を見せました。
日本は終わってみれば、各種目で合計4つのメダルを獲得。
女子シングルス・・・金(高橋乃綾選手)
ミックスダブルス・・・銅(林田リコ/上松俊貴ペア)
女子国別対抗・・・金
男子国別対抗・・・銀
日本のメディアも現地で取材報道されていましたが、オリンピック競技と比較すれば、ソフトテニス競技はまだまだメディア露出が少ないと言わざるを得ません。
国内愛好者700万人といわれる隠れた人気スポーツであるソフトテニスですが、「やる競技」というだけでなくいかに「観る競技」としても育てていくかが大きな課題です。
また、部活動だけで終わらせずに、いかに生涯スポーツとして長く付き合っていける環境をつくるか。
さらにはオリンピック憲章にも見合うように、アジア地域以外も含めた国際普及をどう進めていくか。
これまでも各方面で諸先輩方が尽力されてきたことと思います。
微力ながら、私自身も今後どのようにソフトテニス競技の普及・発展に貢献していけるのか。
改めて深く考える良い機会になりました。
課題のどれもが簡単なことではありませんが、課題があるならば必ずその解決策だってあるはずです。
なんにせよ、ソフトテニス好きが高じて海外まで国際大会を応援にきたくらいなので、ここまできたら突き進むのみです(笑)。
激闘を演じた選手たちも、試合後は快くファンサービスに応じてくれました。
国際舞台で感動的な試合を見せてくれた選手たち。
それをサポートし続けてきたナショナルチームスタッフ、日本ソフトテニス連盟関係者の方々。
選手を育てる指導者、選手を支える家族や仲間たち。
そしてソフトテニスを愛する多くのファンの存在。
一人一人の力はたとえ小さなものだとしても、さまざまな立場の人たちがそれぞれの役割を果たしながらベクトルを合わせて連携していけば、きっと大きな流れが生まれていくはずです。
感動冷めやらぬまま、熱戦の地パレンバンを後にして首都ジャカルタへ。
今回参加させていただいたナロさんの観戦ツアーは、すべての種目を観戦できる最大7泊8日から、国別対抗のみの最小3泊4日まで日程を選べます。
無論、私はフルMAXでの参加でした!
その一番長い日程では、雨天などで試合に延期があった場合でも最後まで観戦ができるようにと、ツアー最終日に1日余裕を持ったスケジュールになっています。
競技日程は無事に予定どおり終了したため、最後の1日はオプションとしてジャカルタ市内観光に。
大型バスに乗り込み、現地ガイドさんの説明を聞きながら観光地を回ります。
経済発展著しい、アジア有数の大都市ジャカルタ。
高層ビルやタワーマンションが立ち並ぶ、近代的な街並みが目の前に広がります。
途中、大統領官邸や中央銀行の巨大な建物の前を通り過ぎながら、バスは街中を進んでいきます。
この日は、綺麗なホテルのレストランでランチ。
おにぎり、唐揚げ、焼き鳥、野菜炒め・・・。
というわけではないと思いますが、どこか馴染みのあるインドネシア料理のその味は日本人の口にも合う気がします。
おいしいランチでお腹を満たした一行は、次の目的地インドネシア国立博物館へ。
ガイドさんの詳しい解説を聞きながら、インドネシアの歴史や郷土文化について学んでいきます。
私も案外歴史好きなほうですが、インドネシアの歴史については特別知識を持ち合わせいませんので、どれも興味深く聞き入ります。
その国の文化を理解しようと思えば、歴史を知ることは欠かせません。
ジャカルタの定番観光スポット、独立記念塔「モナス」。
ガイドさんの話によれば、あまり地元ジャカルタの人は来ないそうで、外国人観光客か地方から来た人が多いそうです。
なるほど、東京タワーみたいなものですね。
地元の人にとってはあまりにも定番すぎて今さら行かないような場所でも、外から来た人にとっては行っておきたいスポットです。
モナスのなかは、大きなロビーのようになっており、来場した人々は冷たい床に座り込んだりゴロ寝したり、まるで市民の憩いの場のようになっています。
そのロビーの外周をぐるりと取り囲むように、インドネシアの歴史的出来事を忠実に再現したディスプレイが並んでいます。
ジャワ原人の時代から近現代まで、インドネシアがどうやって成り立ってきてどのように独立建国まで至ったかを、まるで立体絵巻物のように垣間見ることができます。
インドネシアの初代大統領であり建国の父、スカルノ大統領の足跡も辿れます。
日本ではデヴィ夫人の旦那さんといったほうが親近感があるかもしれません。
長きに渡る植民地支配や戦争など負の歴史でも、それを次の世代へ脈々と受け継いでいく。
過去から教訓を学ぶことで、それが未来を考えるうえでの道標となります。
移動のバスを待つ間、懐かしい光景を目にします。
タイではトゥクトゥク、インドではオートリクシャーなど国によって呼び方は違いますが、アジアの多くの国でこうした3輪タクシーが走っています。
インドネシアでは、「バジャイ」と呼ぶそうです。
以前インドにいたときに日常の足としてよく活用していましたが、ここでも同じように運賃はメーターなどではなく、運転手との交渉で料金が決まるそうです。
こうしたアナログな良さも、新しい環境変化に飲み込まれて徐々に失われていってしまうのかもと思うと、少し寂しい気もします。
その後、イスラム教のモスクへ。
イスラム教徒ではない私たちでも、中まで入って見学できるとのこと。
思っていた以上に他の宗教に対しても寛容です。
日本国内ではイスラム教徒の数はあまり多くないこともあって日本人からすると馴染みが薄いイスラム教ですが、世界には16億人の信徒がいるとされ、キリスト教に次ぐ人口第2位の宗教です。
私もはっきりとは知らなかったのですが、1日5回の礼拝の時間も「明け方から日の出まで」とか「日没直後」といったような決まり方のため、世界中のイスラム教徒が一斉にお祈りしているわけではなく、いる場所によって時差があります。
当然お祈りをするメッカの方角もまちまちです。
最近では、お祈り時間や方角が簡単に確認できるスマホアプリなどもよく使われているそうで、時代の流れを感じます。
一体どれだけの人が入れるのかと、驚くほどに大きな礼拝堂。
イスラム教では、金曜日やラマダン明けには集団礼拝の日となるので、大勢の信徒がモスクに詰めかけます。
この大きな太鼓は、時計がなかったような時代からお祈りの時間を知らせるために使われたそうです。
日本のお寺の鐘と似たようなものでしょうか。
だだっ広い中庭も礼拝に使われるそうですが、ただの模様だとおもっていた地面のタイルが、実は一人分のお祈りスペースだと聞いてビックリ!
そのタイルがすべてメッカの方角に向かって、整然と並んでいます。
これならどんなに人が混み合っても、綺麗に並んでお祈りできます。
これ考えた人、頭いい!!
「コラッ!はみ出すんじゃない!!」
「ひぃっ!!スミマセンッ!!」
そんなやり取りが聞こえてきそうな一コマ(笑)。
ちなみに、何人かが纏っている緑色の着物は、半ズボンなどで肌の露出が多い場合に隠すものだそうで、私も施設に入るときに着るように促されました。
浴衣を着た温泉旅行の団体様ではありません。
モスクだからといって神聖で静粛な場所なのかと思ったら、子連れで楽しそうに団欒したり、顔馴染み同士で井戸端会議する人たち。
さらには駆けっこしてはしゃぎ回る子供たちの姿も。
もちろん神に祈りを捧げる大切な場所なのでしょうが、そこは同時に人々の憩いの場であり、家族や友人と過ごすための場所なのだということが分かります。
私を含む多くの日本人は普段宗教を強く意識するような機会に乏しいため、イスラム教をはじめさまざまな宗教に対する理解が乏しい面があるかも知れません。
宗教というと難しいもののように聞こえますが、あれこれと戒律の厳しいイスラム教であってさえ、ムスリムの彼らにとってはそれも日常生活の一部です。
多様性の時代にあって、互いに寄り添いながら相互理解を深めていくことがますます大事になってきます。
私も世界中に友人を作りながら、色々と学んでいけたらと思います。
興味深かったのは、イスラム教のモスクから道を挟んですぐ向かいにキリスト教の教会が。
そのあいだにある駐車場は、金曜日はイスラム教徒で一杯に、日曜日はキリスト教徒で一杯になるそうです。
これぞまさに共生のあるべき姿(感心)。
モスクの外には露店が軒を連ねます。
縁日のお祭りよろしく、礼拝日には楽しそうに歩く親子連れで賑わう姿を想像してほっこり。
インドネシア版お好み焼きのような美味しそうな屋台を発見するも、バスの出発時刻がきたため楽しみはまたの機会に。
「Kerak Telor」というジャカルタ名物だそうです。
バスツアーもいよいよ最後の目的地である中華レストランへ。
日本代表の大健闘を讃え、またニッポン応援団の労を互いにねぎらって乾杯!!
名残惜しさを感じつつも、楽しかった観戦ツアーは終焉に向かいます。
お酒もまわって盛り上がったところに、今回の旅の感想を皆さんから一言ずついただきます。
そうこうしてたら、今回新婚旅行で参加したという猛者カップルを前にして「新婚さん、いらっしゃ〜い」(一同爆笑)!!
最後の最後まで、おおいに楽しませていただきました!
それぞれ住んでいる地域も、立場も世代もバラバラなツアー参加者同士でしたが、その誰もがソフトテニスが大好きで、情熱を持って競技に関わっている方々ばかり。
一緒に日本代表を応援して感動の瞬間を共有した絆は、このうえない連帯感を生んでくれました。
皆さまとのご縁に感謝です!!
この先もまた新たな感動を求めて、私も楽しみながら自分なりの挑戦を続けつつ、大好きなソフトテニスに少しでも恩返しができれば本望です。
最高の旅をありがとうございました!
過去記事:第18回アジア競技大会(パレンバンぶらり旅編)